芝居の備忘録として、またアウトプットのために簡単に文章にまとめます。
台本を「読む」人が9割いる中、セリフの本質を見極め、台本を「喋る」ためのアプローチ法です。
ずっと下書きのまま放置してたのでさくっと仕上げています・・・。
1.言うことのアプローチは単語の認識を深めることから
以前投稿したコチラの記事にあるとおり、セリフは単語の羅列です。
人が話すというのは、この単語の連続が結果として文章になっているに過ぎません。
そしてこの単語というのは、その人物の想いの塊です。
それが結果としてニュアンスとして聞く人に伝わります。
ですので、単語の認識を深めるというのは、その人物の内にある想いを知ることでもあります。
2.逆説的思考で単語と音の動きを確認する
ですが、台本に出てくるセリフはよほど経験豊富な人でない限り、
多くの人にとっては他人事です。
だからこそ、表面上の雰囲気だけを捉え、それっぽく読むことで、芝居をしている気になってしまいます。
感受性が豊かだったり、天性の才能がある人は、何も考えなくても役に共感し、勝手に役になることも出来ますが、役者を名乗る人の9割以上の人はそうした才能はないといって間違いないと思います。
私もその9割に属する多くの凡人の内の一人です。
ですからそういった人には、アプローチする足がかりとして、セリフを単語毎に分解し、その単語を逆から順番に言っていくことで、セリフの流れを確認するという方法があります。
①以下のセリフがあるとしたら、まず単語毎に区切る。
この船で奴隷だったおれに海賊になれと言ったのはあんただ。
→この船で/ 奴隷だった / 俺に/ 海賊に/ なれと / 言ったのは / あんただ。
②単語毎に質問をして、それに答えていく。
- それは誰?→あんただ。
- どうしたのが?→言ったのは
- どうしろと?→なれと
- 何に?→海賊に
- 誰に?→俺に
- どんな境遇の?→奴隷だった
- どこで?→この船で
③単語の動きをそのままに元の順番で言ってみる。
→結果として喋った時の音の動きになる。
単語を言う、音を動かすことが前提として出来ないと成立しませんが、
それが分かればセリフが楽になります。
キャラクターの年齢や雰囲気よりも、まずはそのセリフを話すことが大事です。
セリフを話せば、感情などは自然と付いてくるので、その後にそれらを一つ一つを確認し、
自分の解釈に繋げていきます。
そして、色々な音の動き=ニュアンス=感情の動きを探って、役として、セリフとしての可能性を広げていきます。
3.「噛んだ」「パクに合わなかった」で終わらせない
話すことが分かってくると、基本的にセリフでミスを犯す時は、周りの視線や緊張などの要因がきっかけとなり、認識が遅れる、または出来ていない時だと気づくことが出来ます。
ディレクションで音が潰れたり、パクが余ったために「もっとたっぷりやって」と言われた場合、
認識して話すことを知らない人はゆっくりと読むことしか出来ませんが、そこに基礎的な問題が絡んでいないなら、認識を濃くする、深める、認識を変えることで対応出来ます。
(そこに基礎的な問題が絡まないよう、役者は日ごろから、継続的に基礎訓練を行います)
ちなみに、「認識を深める=単語の彫りが深まる=音の動きが大きくなる、速度が変わる」ということも分かれば、
認識が浅い=単語への認識がまだ浅い=年齢が低い(幼い)音に聞こえますし、
認識が深い=単語への認識が経験などにより深まる=年齢が高い(老けてる)音に聞こえる、
という使い分けも出来るようになります。
機械的ではありますが、実際の現場では十分に準備をして臨める場合もあれば、そうでない時もあります。
そういうときは、技術的に音や認識をコントロールして成立させないといけない場合もあるため、その際にはこれらの技術が助けになります。
そこに関しては私自身もまだまだですし、今回の説明では全く不十分なので、
引き続き、アウトプットしていき、話すためのアプローチについて研究、理解を深めていきます。
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